シーズン終了後の10月第1週に右肘内側側副靱帯の再建術、通称トミー・ジョン手術を受けることが発表されたエンゼルスの大谷翔平投手。この件について地元紙ロサンゼルスタイムズも「エンゼルスのショウヘイ・オオタニが来週トミー・ジョン手術へ、しかし彼は打者としての将来に楽観的」という記事で伝えている。

記事では大谷の怪我が幹細胞注射やプラズマ治療で治療するには重篤であったこと、手術がロサンゼルスで著名な整形外科医によって行われることを紹介。さらに大谷が記者会見で「もちろん残念な気持ちはありますけど、普通なら1年と、半年は試合に出ることが出来ないので、その中で、まだ貢献できるものがあるということは、むしろプラスかなとは思っている。なんとかそこでチームに貢献できるように、また頑張っていきたい」と語ったことなどが掲載されている。

そんな手術への報道が出る一方でシーズン終了に向けて複数のメディアで大谷が取り上げられているのが、新人王の行方だ。25日、MLBの公式サイトは、同サイト記者による新人王の7回目の投票結果を掲載し、そこで大谷がトップだったことを明らかにした。同投票で大谷は5月30日の第1回でトップだったものの、以降は3位が4回、2位が1回に留まっていた。終盤に評価が再び高まった形である。

この記事でトップとなった理由に「才能という点において、大谷はあらゆる疑問に答えた。彼は投手として10回の先発で9イニング当たり防御率3.31と11奪三振という数字と、指名打者として342打席で20本塁打とOPS(出塁率と長打率とを足し合わせた値).923を記録した」と説明している。さらに打者として20本塁打、投手として50奪三振を記録したMLB史上初めての選手で、チーム史上3人目の新人で20本塁打、10盗塁まで1盗塁に迫っていることも紹介していた。

さらにヤンキースの地元であるニュージャージー州のニュースサイト、nj.comは「なぜエンゼルスのショウヘイ・オオタニは新人王でヤンキースのミゲル・アンドゥハーとグレイバー・トーレスをうち破るか」という記事を掲載している。アンドゥハー三塁手とトーレス二塁手は共に本塁打が20本を超える活躍で新人王の有力候補となってきた。先のMLB公式サイトの記者投票でも2回目から6回目まで大谷を上回ったのはこの2人だ。にもかかわらず地元サイトは白旗を掲げる記事を掲載したのである。

その理由として記事は大谷の打席数が500に達していないのに2人と遜色ない数字をあげていること、さらに投手としても成果を出したことを挙げた。

手術を受けることは残念ではあるが、大谷の二刀流は確実にアメリカのメディアからも賞賛されているのである。