田中将大投手のヤンキース入りによってますます注目度が上がっている2014年MLBシーズン。数多くの報道がされているが、それでも日本に伝わってきていない部分もまだ多いと感じている。今回から始まるこのコラムではアメリカのメディアやファンがその時々のMLBシーンをどのように捉えているかをアメリカ発のウェブを中心にし、拾い上げ紹介していきたいと思う。

 今回、まず取り上げたいのは熱心なベースボール・ファンが多いことで知られるニューヨークの人々が地元チームについて今シーズンをどのように展望しているかだ。これはニューヨークの老舗地元紙ニューヨーク・タイムズと地元ニュース専門局NY1、さらに大学シエナ・カレッジが先月29日から今月3日にかけて1190人の大人を対象に電話インタビューを行った調査結果である。

 まずヤンキースがプレーオフに進出できるか、という質問に対して、ベースボール・ファンであることを認めた人の54%が進出するだろうと回答した。ヤンキース・ファンだと66%である。やはりヤンキース・ファンは自分たちのチームに対して一種のひいき目があるのだろう。

 一方でもう一つの地元チーム、メッツのプレーオフ進出に関してはできる、と答えたのはベースボール・ファン全体で21%にすぎなかった。メッツ・ファンの場合、30%に増えるが、それでも50%にすら遠く及んでいない。低迷が続くメッツに対する不信感は、シーズン開幕にあってもぬぐえないようである。

 ある意味ニューヨークのファンにとって最も大きな関心事である、ヤンキースのデレク・ジーター内野手については、好きだという回答はファン全体で83%だった。ヤンキース・ファンは実に91%で、メッツ・ファンでも78%が「好き」と回答している。いかに地元ファンから分け隔て無く好かれているかがわかるだろう。

 対して引退の決断については、正しい決断だ、という回答はファン全体で74%、ヤンキース・ファンでは78%を占めた。つまりジーターは好きだが、今が引退の潮時、と感じている人が大多数ということである。厳しさも感じるが地元のファン心理とはそういうものなのだろう。

 さらにアレックス・ロドリゲスに関しては好きという回答は全体で29%、ヤンキース・ファンでも35%しかなかった。しかも出場停止によるロドリゲス不在がヤンキースのプレーオフ進出に影響を与えることはない、という回答も60%に達している。Aロッドはすっかり地元からの支持を失っているのだ。

 このような地元ファンに囲まれながらヤンキースとメッツは長いシーズンに乗り出している。