2014年シーズンの王者を決めるワールドシリーズに向けた熱いプレーオフが続いているが、その一方で脱落したチームでは来年に向けた動きが活発化もしている。その中でも驚きを持って受け取られたのがドジャースのGM人事だ。

 ドジャースは今シーズン、ヤンキースを抜く年俸総額2億3884万1005ドルというMLBトップの豪華選手陣を揃えた。その甲斐あってレギュラーシーズンは94勝68敗、2位ジャイアンツに6ゲーム差をつけてナ・リーグ西地区2連覇を果たしている。が、地区シリーズではカージナルスの前に1勝3敗であっさりと敗退してしまった。昨年はリーグ優勝決定シリーズまで進み、2勝4敗だったから、それより一歩後退とオーナー達が捉えたのも無理はないかもしれない。

 そこで取られたのが選手人事を司るGMの交代だ。2005年からGMを務めていたネッド・コレッティが辞任。新たなベースボール・オペレーション部門社長、いわゆるGM職としてレイズのアンドリュー・フリードマンGMが就任することが発表されたのである。

 フリードマンは大学まで野球をプレーしていたもののけがで引退、その後金融関連会社で働いていた経歴を持つ。その後2004年にレイズのベースボール・デベロップメント部門ディレクターに転身し、2005年には28歳の若さでGMに就任し、低迷していたチームの再建を任された。

 フリードマンは年俸総額をMLBの中でも低く抑えながらも再建に成功し、2008年にはチーム史上初めてプレーオフ進出、さらにはワールドシリーズ出場を果たしている。さらにその後も2010、11、13年にもプレーオフに進出した。

 まだ37歳ながらウォールストリート出身のトップクラスGMとして認知されている存在なのである。そのフリードマンが、いきなりレイズを辞め、MLBトップの金満チームとなったドジャースに移るのだから驚くしかない。

 フリードマンがドジャースの豊富な資金を使い、どんな選手人事を行うかが注目される。さらにフリードマンとの結びつきが強いレイズのジョー・マドン監督を引き抜くのでは、という噂も出ている状況だ。

 このフリードマン移籍をきっかけにさまざまな変動が生まれそうである。