【タンパ(米フロリダ州)26日(日本時間27日)=四竈衛】ヤンキース田中将大投手(26)のオープン戦初登板が、3月12日(同13日)のブレーブス戦になることが濃厚となった。この日はキャンプイン後2回目となるブルペン投球で40球を投げ、順調な調整をアピールした。首脳陣は、昨季痛めた右肘に配慮してスロー調整の方針を固めており、十分な間隔と休養を最優先させる方針だ。

 前回22日のブルペン投球から中3日。通常のキャンプよりも慎重なスロー調整とはいえ、明らかに、田中のギアは上がっていた。ノーワインドアップとセットポジションで20球ずつ。武器のスプリットやスライダーもコーナーに狙いを定め、力強く腕を振った。「自分で意図して投げていることなので、投げられているのはいいことじゃないでしょうか」。投球後の笑顔が、好感触の表れだった。

 何度もうなずきながら見守ったロスチャイルド投手コーチも、数多くのプラス材料を並べた。「とてもいい球離れだった。腕の振りもいいし、調子が上がったのが分かっただろう」とたたえた。今後の登板については「キャンプ中はフレキシブルに対応する」と状態重視としながらも、首脳陣の間では検討済み。次回は中3日で3月2日にフリー打撃に登板する予定だ。田中は「打者が立っても大丈夫だと思う。それだけの準備ができた」と自信をのぞかせる。

 その後は中3日で同6日に2度目のフリー打撃登板を経て、中5日の12日に実戦登板する青写真が固まった。オープン戦初戦は2イニングからスタートし、問題がなければ徐々に投球回数を延長。開幕までにはオープン戦5試合に登板するものとみられる。

 田中自身、昨季の経験もあるだけに、調整ペースに違和感はない。「順を追って良くなっている状況。うまくいかない日もあると思いますが、すごく順調。自然と上がって来て、投げられているのが一番かな」。周囲の慎重論をよそに、田中の球筋は、着実に精度を上げ、力強さを増してきた。