ポスティングシステムを利用した大リーグ挑戦を目指す広島前田健太投手(27)が24日、今オフ初めて球団との会談を行った。

 11年オフのダルビッシュ、13年オフの田中と同様、前田の場合も、米球界はポスティング申請の動向を待ち続けてきた。FAが解禁後も、目立った動きがない一因には、市場にすべての「商品」が出そろっていない裏事情がある。

 今後、前田の米挑戦が認められれば、各球団は一斉に動き始めることになる。今オフ、「エース級=特A」にランクされるグリンキー(ドジャース)、プライス(ブルージェイズ)らの相場は年俸平均20億円以上、「2番手=A」の岩隈(マリナーズ)らが同15億円以上。メジャーで実績のない前田の場合、「3~4番手=Aマイナス」に位置付けられており、同10億円前後の年俸が予想される。その一方で、主な「特A」「A」クラスは30歳以上とあって長期契約は望みにくい。27歳の前田は単年換算以上に、4~6年の複数年契約での大型契約が見込まれる。

 これらの諸条件、チーム事情から有力視されるのが、徹底マークを続けるダイヤモンドバックスだ。先発ローテの2番手以上と高く評価している。大物FAではなく「新規開拓」を目指しており、スチュワートGMもラブコールを隠そうとしない。先発補強を目指すジャイアンツ、レッドソックス、カブス、ドジャースなどは、グリンキー、プライスらの獲得を最優先しており、前田へのアプローチは市場の動き次第。日本市場への拡張を図るパドレスがダークホースか。

 いずれにしても、今後、正式にポスティング申請となれば、12月7日に開幕するウインター・ミーティング前後には「前田争奪戦」がヒートアップしそうだ。【MLB担当=四竈衛】