イチロー外野手(42)の所属するマーリンズが、18年にも日本で開幕戦を行うプランが浮上した。来日中のデービッド・サムソン球団社長(47)が6日、千葉・成田市で行われた少年野球大会「MLBカップ」の開会式に出席。今後の日本戦略を問われると、2年後のシーズン開幕戦を東京で開催したい意向を明かした。2年後には44歳となるイチローが再び、日本でプレーを披露する可能性が出てきた。

 6年ぶりの日本凱旋(がいせん)へ。マーリンズのサムソン球団社長は日本での公式戦開催について、「ぜひ行いたい。来年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)があるから、18年に実施できれば」と話した。実現となれば、12年に行われたマリナーズとアスレチックスとの開幕2連戦(東京ドーム)以来。当時マリナーズに所属したイチローは2試合とも「3番右翼」で先発し、初戦は5打数4安打の活躍。2試合目は無安打ながらも守備でファンを魅了した。

 マ軍が2年後の日本開幕戦を意識するということは当然、イチローとの契約延長を念頭に置いている。今季も1年契約で、17年は球団に選択権があるオプション。同球団社長は「契約については今季終了後に話すが、プレーしてくれることを願っている。彼がチームにいるのは日本で最高の選手だからではなく、勝利に貢献しているからだ」と、あらためてチームに不可欠な存在であることを強調した。背番号「51」の永久欠番についても「彼は50歳までプレーすることを希望している。その年齢になるまで、この話はしないつもりだよ」と敬意を表した。

 イチローはメジャー通算3000安打まであと65本、日米通算ではピート・ローズの歴代最多安打まで43本に迫る。到達した際には、同球団社長は「本人と話し合って、彼が望む形で祝いたい」と、球団を挙げてセレモニーを行うことを約束した。2度の世界一メンバーで、同席した“ミスター・マーリンズ”ことジェフ・コーナイン社長付特別補佐(49)も「ぜひ達成して歴史をつくってほしい」と期待した。【山下翔悟】

 ◆大リーグ公式戦の日本開催 00、04、08、12年と過去4度開幕戦を行っている。球場はいずれも東京ドーム。03年にもマリナーズ-アスレチックスが予定されていたが、イラク戦争開戦によって中止された。00年以外は、日本人選手が出場し、04年は松井秀(ヤンキース)が2戦目に2ラン。08年はレッドソックスで松坂が開幕投手、岡島が勝利投手に。12年はイチロー(マリナーズ)が開幕戦で5打数4安打と大暴れ。