【テンピ(米アリゾナ州)24日(日本時間25日)=本間翼、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が紅白戦に登板し、メジャー開幕前の最終調整を終えた。5度目の実戦登板で最多の85球を投げ、打者21人と対戦し、4回2/3に相当する14アウトを取って2安打2失点、5三振6四死球。苦しんできた生命線のフォークを多投し、開幕ローテーション入りに向けて準備を整えた。

 大谷は地面にたたきつけるようにフォークを投げ込んだ。何度もワンバウンドしたがお構いなし。「極端な話、3ボールからでも投げようという感じだった」。6四死球と苦しんだが「どのカウントでも確認をしながら進められたのは良かった」と振り返った。

 投じた85球のうち24球がフォークだった。普段は決め球となることが多い球種をカウント球としても使った。前回、プロ初の1イニング7失点を喫した16日(日本時間17日)のロッキーズ戦では50球を投げてフォークはわずか2球。メジャーのスカウト陣が口をそろえて評価する生命線のボールを、納得いくまで確認しておく必要があった。

 連続四球と暴投で招いた2回無死二、三塁の場面では、フォークを左前に2点適時打とされたが「いいところにいっているので特に問題はない」と気にすることはなかった。4回1死二、三塁では2者連続三振をフォークで奪うなど徐々に精度を上げた。「回を重ねたスプリットの方が落ちも、腕の振りも良かった。だいぶ進歩したと思う」と手応えをつかんだ。

 オープン戦は2試合の登板で防御率27・00と結果は出なかった。「良かったこと、悪かったこと、できなかったこと、いろいろあったが1日1日全部がいい経験だった」と総括。ソーシア監督は開幕メジャーを明言しなかったものの、開幕第3戦の31日(日本時間4月1日)の敵地アスレチックス戦での先発が予想される。