<オープン戦:メッツ5-10カージナルス>◇28日(日本時間29日)◇米フロリダ州ポートセントルーシー

 7人目の打者を右飛に打ち取り、ベンチに戻ると腕を組み、座ったまましばらく動けなかった。本塁打を含む3安打3失点。メッツ五十嵐亮太投手(30)は連投した2試合で計4点を失った。

 この日は、先頭の強打者プホルスを遊ゴロに打ち取った段階で「球がきていない」と感じた。走者がいなくてもセットポジションから投げたが、本人の感覚通り速球は勢いがなく、フォームにも切れがない。2死から控え選手にバックスクリーンへの1発を浴び、さらに四球と連打で2点を奪われた。

 左足に体重を乗せ、右腕を前で大きく振るように心掛けたが、うまくいかない。「内容も結果も散々でした。開幕も近いし、こんなことをしているようじゃ良くない」。思うような投球ができず、落胆をそのまま言葉にした。

 キャンプ中にいろいろ試したことが「どれが正しいのかうまくチョイスできていない状態」と言う。オープン戦も残りわずか。迷える右腕は、本来の投球を取り戻せるか。