松井秀喜外野手(38)が27日(日本時間28日午前7時)、ニューヨーク市内のホテルで記者会見し、現役引退を表明した。まず約20分間、引退に至った経緯、これまでの野球人生を語ったあと、報道陣からの質問に答えた。

 -引退を決断したタイミングは

 松井

 常にありましたけど、傾いたのはつい最近ですね。

 -巨人から復帰の誘いは

 松井

 10年前、ジャイアンツの4番バッターということに対して誇り、責任を持ってプレーしていたつもりです。もし戻ってプレーすることになれば、たくさんのファンの方が10年前の姿を見たいと思うし期待します。正直言いましてその姿に戻れる自信が強く持てませんでした。

 -巨人とヤンキースについて

 松井

 巨人は故郷(ふるさと)のようなチーム。ヤンキースはあこがれていたチームでしたが、家族のような時間があったし、家族の一員になれたような気がします。

 -20年間で一番の思い出は

 松井

 いっぱいありますね。(しばし考え)やはり、長嶋監督と毎日、2人で素振りした時間ですかね。一番印象に残っています。

 -最初に報告したのは

 松井

 妻です。「お疲れさま」と言ってもらいました。そのひと言に集約されています。彼女が一番のファンでいてくれたと思いますし、支えてくれました。ケガをしてから結婚したので心配をかける時間が多かった気がします。普段は球場には来ませんが、2009年のワールドシリーズは全試合球場で観てました。唯一の恩返しですね。

 -長嶋監督には報告したか

 松井

 報告はしてあります。電話だったのですべての気持ちは伝わったかどうか分かりませんが、少し残念な気持ちと、よく頑張った、ご苦労さんという気持ちと両方あったような気がします。

 -松井選手にとって長嶋監督とは

 松井

 プロ野球選手としての心構え、練習への取り組み方、試合への取り組み方、すべてにおいて学んだことは20年間の大きな支えになりました。

 -今後について

 松井

 これまでの経験をいろんな世代、いろんなファンに伝えていけたらいいですね。ただ20年間、プロ野球しかやっていませんから、いろいろ勉強しながら土台をつくる時間が必要だと思います。

 -指導者への道は

 松井

 現時点では想像していない。ただ、もしかしたら将来そういう縁があるかもしれない。

 -日米通算で507本塁打

 松井

 本塁打は確かに僕の魅力の一つだったとは思うが、僕が常に意識したのはチームが勝つことで、そのために何をするかを一番大きく考えていた。

 -悔いは

 松井

 その時、その時に自分で決断してきましたし、何一つ後悔はないし(心残りも)ないですね。

 -今の心境は

 松井

 寂しい気持ちとホっとした気持ち。いろんな気持ちがあります。複雑ですね。「引退」という言葉は使いたくないですね。草野球の予定も入っているし、まだまだプレーしたい(笑い)。

 -今、自分にかけたい言葉は

 松井

 「よくやった」という気持ちはありません。「頑張ったね」というのもない。そんなに苦労した思いもないですし「もう少しいい選手になれたかもね」ですかね。