米大リーグ挑戦を表明した新日本石油ENEOS・田沢純一投手(22=横浜商大高)が4日、ブレーブスから球団でも前例のない破格の評価をもらった。10月30日のドラフト会議後初めてメジャー球団との交渉に臨み、ブレーブス、マリナーズ両球団のスカウトと接触。ブレーブスからは具体的な条件提示を受けた。詳細は明かされなかったが、全米ドラフト1巡目級の金銭条件に加え、ブ軍初の新人メジャー契約を提示された可能性が高いことが分かった。

 ドラフト後初の“田沢詣で”に、ブレーブス大屋博行国際スカウト(43)が破格の条件を用意した。フランク・レンGM(50)のサイン入り正式書類で条件を提示。約45分の会談を終えると詳細こそ明かさなかったが、「大リーグで、22歳の大学生がドラフト1位で指名された時以上の条件」と説明。「メジャーリーグで投げていただきたいというのが我々の思い。それで解釈していただければ」と、入団即40人枠に入る「メジャー契約」を示唆した。

 来春のキャンプ参加が保証されるなど、メジャー契約の優遇面は計り知れない。例年約1400人が指名される全米ドラフトでも、この破格な契約を結べるのは年平均3人程度。130年以上の歴史を誇る名門ブ軍でも過去、中南米選手を含めて新人とメジャー契約を結んだことがなく、最高契約金も02年フランコア外野手の220万ドル(約2億2000万円)がトップ。最近の契約金はドラフト1巡目で平均200万ドル(約2億円)を超えており、年俸等の条件も加算されるメジャー契約なら、ブ軍史上で最高条件になるのは確実だ。

 ブレーブスはレンGMが、都市対抗3試合を視察。シーズン中にGMが来日すること自体、極めて異例だった。田沢のブラジル遠征にも国際スカウト部長が訪れた。大屋スカウトは「マネーゲームは避けたい」としながら、「本人がもっと下さいと言えば相談する」と含みを持たせた。通訳など私生活面も整える考えで、複数年契約の可能性も示唆した。

 新日本石油ENEOS・大久保秀昭監督(39)は「全米のドラフト選手と比較してもかなりのいい条件。メジャー契約してもらえる選手はいるか、いないかと聞きますし」と驚いた。ただ、球団を選ぶ際には金額や条件面だけではなく、「田沢の1年後、2年後をどう考えるか、今後のビジョンがしっかりある球団」と慎重な姿勢を見せた。

 13日開幕の日本選手権までに、現状他球団と交渉する予定はない。田沢は「大リーグ挑戦を表明してから実際にメジャー球団から話があるのか不安でしたが、本日2球団のスカウトからあいさつを受けたことは大変光栄に思いますし、大リーグ挑戦に向けての思いがさらに高まりました」と広報を通じてコメントした。