<ブルージェイズ5-1ヤンキース>◇12日(日本時間13日)◇ロジャースセンター

 【トロント(カナダ)=大塚仁】ヤンキース松井秀喜外野手(34)がブルージェイズ戦で今季初リタイアした。5番DHで先発出場したが、2回の第1打席で三ゴロを放った際に右太もも裏の張りを訴えて次の打席で代打を送られた。松井本人やジラルディ監督は軽症の見通しを口にしたが、2年前の4月にも左太ももを肉離れしており、今回も決して楽観視できない。後のないシーズンで早くも故障というピンチに見舞われた。

 松井は2回の第1打席、三ゴロに倒れた際に一塁へ全力疾走して異変を感じたという。「右足のハムストリングがつったような感じになった。大丈夫だと思ったんですが、トレーナーが今日はやめようと言ったので判断した」。自ら違和感を訴えると、即座にトレーナーからはストップがかかった。故障明けで目いっぱいプレーしてきた体が初めて悲鳴を上げた瞬間だった。

 太ももといえば2年前の07年、開幕直後に左太もも裏を肉離れして15日間の故障者リスト(DL)入りしている。その時との比較について「僕自身の感じではあの時ほどひどい感じではない」と軽症の見通しを口にした。試合後のジラルディ監督も「張りはあるが痛みはないということだった。明日になればもっと詳しいことが分かるだろうが、おそらく大丈夫じゃないか」と話した。病院での診察やMRI検査を受ける予定はなく、現時点では悲観的な見通しは立っていない。

 ひざの状態が良好であったことが生んだ別のストレスだった。「ひざの状態が非常に良くなってきているんで、今までにないような強さで走ったというのがある。それで筋肉がびっくりしたのかもしれない」。この日は早出特打を敢行するなど、これまで恐る恐るプレーしてきたが、ギアを一段上に引き上げていた。それが皮肉にも新たな故障を引き起こしてしまった。

 チームには故障者が後を絶たない。この日も試合前にはスタメンに名を連ねていた主将ジーターが、右脇腹の違和感を訴えて急きょ試合開始直前に欠場を決めた。ポサダ、ネイディ、王建民ら、主力が続々とDL入りしている現状がチーム低迷の一番の原因。現時点で松井がDL入りする予定はないが、2年前も試合直後は軽症の見通しだっただけに、今回も離脱となる可能性は消えていない。試合はハラデーに完投を許して首位ブルージェイズに完敗。松井とチームの両方に、今後を大きく左右する局面が訪れた。