エンゼルス松井秀喜外野手(35)が15日、左ひざの不安を抱えて渡米し、キャンプの荷造りのため自宅があるニューヨークに到着した。国内自主トレではボールを打つ練習をせず、「やはりひざに不安があります。常にその日、その日の状態を見ながらやっていきたい」と慎重な姿勢。2月23日(日本時間24日)に移籍1年目の新天地で初のキャンプインとなるが、序盤の守備練習などは別メニュー調整も示唆した。

 松井は渡米前の成田空港で、現時点での調整具合を明かした。「新しいチームでのスタート。不安もあるが楽しみもある」と新天地での初キャンプに意欲を見せながらも、「野球の技術的なことは、まだそんなにやっていない。そういう意味では遅いかもしれない。まだ100%ではない。ひざ以外は順調」と、左ひざに不安があることを強調した。

 08年9月に左ひざを手術した。昨シーズンはその影響で左翼の守備につくことなく、指名打者専門だった。エンゼルスとの契約直後から話していた守備復帰時期についても「ちょっとまだ分からない」と、完全にトーンダウンしていた。実は今オフの国内自主トレではティー、トス打撃なども含め、まったくボールを打たなかった。ボールを打たずに渡米するのは08年以来2度目だが、その時は07年11月に行った右ひざの手術直後。その08年には米フロリダ州タンパ入り後の2月14日には打撃練習を開始。2月15日までボールを打つ打撃練習をしなかったのは異例だ。

 自主トレの調整状況から、アリゾナ州テンピでの春季キャンプも、序盤は別メニュー調整を余儀なくされそうだ。「開幕までに100%に持っていくのは、まだ希望としてある。でも日々状態を確かめながら。キャンプのメニュー?

 まだ分からない。チームのトレーナーや監督、コーチと相談してから」と話した。

 エ軍では4番候補で、ロドリゲスやジーターら豪華メンバーに囲まれたヤンキース時代以上に期待がかかる。1年契約で、短期間での結果も求められる。それでも松井は「シーズンが終わって、良い1年だったなと思えるような1年にしたいです」。焦りは禁物と言い聞かせているようだった。【千葉修宏】