<マリナーズ3-1エンゼルス>◇8月31日(日本時間1日)◇セーフコフィールド
【シアトル(米ワシントン州)=四竈衛】マリナーズのイチロー外野手(36)が、エンゼルス戦で5打数2安打と2試合連続マルチ安打をマークし、今季の安打数を169とした。「1番右翼」で先発し、第2打席に遊撃内野安打を放つと、第3打席には投手強襲安打。10年連続の200本安打まで残り30試合で31本と迫って、いよいよ勝負の9月に突入した。
試合後のイチローには、8月最後の試合という認識がなかった。1日からはロースター枠が40人に拡大され、いよいよシーズン佳境の空気が漂う。それでも、イチローはサラリと言った。「今聞いて、アッ、そうだと思ったぐらいなので答えようがないです」。2試合連続で2安打を積み重ね、過酷な8月を月間35安打(打率3割3分7厘)で終了し、いよいよ9月を迎える。残り30試合で31安打と、イチローが1つのメドにする「1試合1本」にはわずか及ばなかったものの、じわりと好ペースに戻ってきた。
第2打席の二塁内野安打で、1987年以降ではメジャー2位(1位はルイス・カスティーヨ=メッツ、529本)となる通算500本目の内野安打を記録した。続く第3打席にはエ軍先発ハレンの右手をはじく投手強襲安打を放ち、一塁を悠々と駆け抜けた。実際、5回にはチームトップとなる今季35個目の盗塁に成功。依然としてスピードに陰りは見えない。
4回2死一塁の守備では、頭上を襲った低空のライナーに対し、1度半身になりながら腰を落として捕球。トップスピンがかかり、急速に沈んでいく難易度の高い打球を、いとも簡単そうに処理した。抜けていれば先制された可能性を好守で摘み取ったが「見ての通りです。あれはあんなに難しいプレーなんですよ、って言ったらアホでしょう」。サラリと言った。
この日は、かつての同僚佐々木主浩氏(日刊スポーツ評論家)が観戦に訪れ、試合前に激励された。マ軍に移籍した01年は、メジャー最多の年間116勝を挙げるほどの強豪だったが、今のチームに当時の面影はない。ほとんどの選手が全盛期を過ぎ、当時の同僚で今も現役の野手はギーエン(タイガース)キャメロン(レッドソックス)くらい。「ネガティブなこと言うの、やめてくれるかな」。時代の変遷や月の変化に浸ることなく、イチローはまた次の打席へ向かう。



