レッドソックス松坂大輔投手(30)が英語の教科書に登場することが2日、分かった。松坂はこの日、自宅のあるボストンから帰国した。2度の故障者リスト(DL)入りで9勝に終わった今季のリベンジを期し、下半身を中心とした自主トレをこなしている。07年Wシリーズや2度のWBCでの活躍が、大学生向け教科書「GREEN

 LIFE

 AND

 BUSINESS」(南雲堂)の中で取り上げられ、メジャー5年目の来季は今まで以上に責任重大になる。自らの活躍で若者のあこがれであり続けることを誓った。

 成田に降り立った松坂の表情は明るかった。「飛行機の中でしっかり寝られたんで。暖かいですね」。久々の日本を楽しむように話した。昨季より2週間早く自主トレを開始。ボストンでは、週3回ペースで本拠地フェンウェイパークで体を動かしてきた。すでにキャッチボールも始めている。「昨年と違うのは、下半身をじっくり作っていくという形ですね。上半身のウエートトレーニングはほとんどやってない。バランス系のトレーニングを多めにやってます」と順調ぶりを説明した。

 今季は首と背中の張りで開幕からDL入り。右前腕の張りで6月から再び離脱し、9勝6敗に終わり、プレーオフ進出も初めて逃した。言葉の中に、今まで以上の責任感がこもっていたのは、今季の悔しさのためだけではない。来春から約100の大学で採用される英語の教科書「GREEN

 LIFE

 AND

 BUSINESS」が手元にも届いている。横浜高時代から、レッドソックスでのWシリーズ制覇、WBCで2度のMVPに輝いた活躍が、英語で記された。地元での人気ぶりを表すために、ニックネームの「Dice-K」も紹介されている。

 編集責任者の東農大・千葉剛教授(64)は過去に、長嶋茂雄、イチローといったビッグネームを教科書に登場させてきた。「世界一の選手を扱いたい」という同教授は松坂についても「学生は、並外れた技量を持つ人物にあこがれる。Wシリーズ制覇、WBC2連覇の立役者で、世界をまたにかけて結果を出した人物として取り上げさせていただきました。こういう人間になりたくないかという、学生へのメッセージです」と話し、若者たちに与える影響に期待している。

 昨年、千葉教授がレッドソックス戦を観戦した際に「頑張ります」と今後への意気込みを示していたという松坂。教科書の中でも「僕は若い世代の人たちに将来本気で取り組めるものを見つけてほしいと思います」と語っている。若者のお手本であり続けるため、今オフも納得いくトレーニングを行い、来季に備える。