【オーランド(米フロリダ州)7日(日本時間8日)=四竈衛、佐藤直子通信員】エンゼルスからFA(フリーエージェント)となった松井秀喜外野手(36)の移籍交渉が活発化してきた。大リーグのウインターミーティングが行われている会場で、代理人のアーン・テレム氏(56)が、「交渉は順調に進んでいる」と発言。松井が挙げる諸条件からも改めてアスレチックス、レイズに絞られてきた。その一方で、ア軍の補強状況に新たな動きが発覚し、レンジャーズも浮上してくるなど、混沌(こんとん)とした状況に拍車がかかってきた。

 松井をめぐる動きが本格的に動きだした。ウインターミーティング会場に姿を現した代理人のテレム氏が会見を開き、「複数球団からオファーがある」と明言。移籍先を絞っていく考えを示した。その中でも、アスレチックスとレイズが最有力候補とみられ、DHが必要なマリナーズなども獲得に興味を示している。テレム氏は「毎日プレーできること。ペナントレースを争えること。プレーしやすい環境を持っていること」と、条件を掲げた。

 とりわけ、レ軍は左翼手クロフォードのFA移籍が確実視され、この日までに一塁手ペーニャのカブス移籍が濃厚。左の長距離砲の獲得が急務となる中、マドン監督はこの日「松井はプロフェッショナルな選手。これまで敵ながら勝負強さを発揮する打者として、大きな敬意を抱いてきた」と高く評価。攻撃力低下を補う上でも、主力打者との契約に向けて一気に攻勢を掛けてくる見込みだ。

 ア軍にしても、今季DHを務めたカストが去り、打線中軸を担う大砲を必要としており、積極的にアプローチしているとみられる。ビーンGMと接触したとする地元紙の報道にテレム氏は「そういうことをコメントするのは、私のやり方ではない」と話すにとどまったが、「DH市場は高い需要がある。現時点で十分な手応えを感じている。楽観的にみて数週間で決まるのではないか」と話し、早ければクリスマス前にも決着がつく可能性を示唆した。