ドジャースからFAとなった黒田博樹投手(36)の新天地として、ヤンキースが最有力視されていることが8日(日本時間9日)、明らかになった。昨オフ、ド軍からFAとなって以来、多くの球団が獲得に興味を示していた一方で、黒田自身は古巣広島への復帰も検討。それでも、最終的にはメジャーで世界一になる思いを捨てず、この日までに広島に断りを入れた。広島鈴木球団本部長は「もう1年メジャーでやるということなので残念だが、仕方ない」と話した。

 迷った末の決断は、メジャー残留だった。公式戦終了直後は、ド軍または広島復帰を選択肢として絞ったが、その後は広島とメジャー全球団の方針を静観。越年してまで、各球団の動向を待ち続けた。だが、米球界のFA市場全体の動きが鈍く、古巣ド軍の補強も滞ったままだった。

 そこで浮上してきたのが、ヤ軍だった。12月中旬、ダルビッシュの入札が話題を集める一方で、クリスマス前には黒田に対して1年1550万ドル(約12億円)の破格条件を提示したとみられる。宿敵レッドソックスをはじめダイヤモンドバックスら他球団が争奪戦から手を引いても、水面下で交渉を続けてきた。

 古巣広島への恩返しを志す一方で、メジャーで最高峰に立つ夢も捨て切れていない。ヤ軍側は、すでに広島時代の背番号「15」を用意。米球界も注目した黒田の去就は、一両日中にも決着しそうだ。