マリナーズ岩隈久志投手(30)が、正捕手オリボとのコンビ熟成に向けた第1歩を踏み出した。2月28日(日本時間29日)、紅白戦に初登板し1回0/3を3安打2四球で3失点(自責点2)。球数が当初予定の30球を超える38球に達し、2回を投げきれず降板した。内容はいまひとつだったが、オリボとの意思疎通を図っていく上での収穫を得た。

 1回を3人で仕留めた直後のベンチで、オリボから「もうちょっとリズムよく行こう」と言われた。「テンポを速くしなきゃいけないかなとか、いろいろ考えた部分もあった」という岩隈は2回に乱れた。先頭の4番モンテロに初球を左中間に運ばれて二塁打、次打者は四球。失策や連続長短打などであっという間の3失点だった。指摘されたリズムを意識しすぎ、投げ急ぎ状態となった。

 配球はオリボ主導だった。無死二、三塁で7番川崎を迎えた。2ボール2ストライクから内角への直球を中前にはじき返されて2点目を失った。「僕の感覚では外でいきたかったんですけど。要求通りにどれだけ投げられるかっていうのがあった」。正捕手のリードを知ることが最優先だった。

 オープン戦初登板は5日(同6日)のパドレス戦で、以降は中5日で登板を重ねていく予定。ほろ苦い紅白戦初登板にも、岩隈は「これからもっとキャッチャーと話して、考え方とかを理解してやっていきたいと思っています」と落ち着いた様子だった。(ピオリア=木崎英夫通信員)