<マリナーズ3-1インディアンス>◇22日(日本時間23日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)=木崎英夫通信員】イチローの去ったマリナーズが反転攻勢に転じた。インディアンス戦に先発した岩隈久志投手(31)が5回2/3を6安打1失点と好投すると8回、7月末に入団し右翼に定着したテムズが決勝打。5年ぶりの8連勝を飾り、一時は絶望視されたプレーオフ出場圏に7ゲーム差まで迫ってきた。

 本拠地に限れば最近16試合で15勝の快進撃。投の主役の1人は岩隈だろう。この日は8番まで左打者8人を並べたイ軍に対し、「左が並べば並ぶほど、投げやすくはなります」と毎回のように走者を出したが、外角低めに落ちるフォークで4回までに3併殺を奪った。6回1死から四球と安打を許し、次打者ブラントリーをこの日最速93マイル(約150キロ)で空振り三振に仕留めた間に重盗を決められて降板した。後続が打たれて勝利投手こそ逃したが、「ゲームをしっかりつくることができた」と納得した。

 7月23日にイチローが電撃移籍した。長期的な展望で再建に着手したが、1カ月で借金を10減らした。ズレンシックGMも「イチローの移籍と偶然にも重なっただけ。若い選手が成功の味を知り、互いに信頼し合うようになった」と劇的な変化に驚いた。球宴後は、投手陣がリーグ2位の防御率3・00。クラブハウスの雰囲気も「イチローの移籍前と後で違いは何も感じない」(同GM)と笑い声が絶えず、熱気にあふれている。24日からは苦手のビジター7連戦。岩隈は「自分のやるべきことをしっかりやりたい」と口元を引き締めた。