<フィリーズ2-5マリナーズ>◇19日(日本時間20日)◇シチズンズバンクパーク

 マリナーズ岩隈久志投手(33)が今季最多11奪三振をマークする圧倒的な投球で12勝目(6敗)を飾った。初対戦のフィリーズを8回4安打無失点。1回に2点の援護をもらい「どんどん腕を振ってストライク先行で投げていこう」と攻めた。

 唯一のピンチは4回1死二塁。ハワードに8球目のシンカーを左中間二塁打とされ、次打者バードにもファウルで粘られた。5球目シンカーをファウルされた直後のカウント2-2。マウンドに来たマクレンドン監督から同じ投球パターンやリズムを指摘された。「ちょうど僕も、何だか分からないですけど熱くなっていたので、投げる間隔も(単調だった)。いいタイミングでタイムをかけてくれた」と冷静さを取り戻した。バードを8球目で空振り三振に仕留めると、続くブラウンも空振り三振とし、無失点で切り抜けた。5回にアーシに内野安打を許した後は打者11人を連続凡退。「自分の投球ができた」とうなずいた。

 マウンド上ではポーカーフェースを貫くが、珍しく熱くなった。「ま、そういう時もあるでしょう」と照れ笑いを浮かべた。マウンドを降りると穏やかな笑顔を見せるが、人一倍の負けん気の強さが潜んでいるのかもしれない。(フィラデルフィア=佐藤直子通信員)