<ヤンキース5-3ホワイトソックス>◇23日(日本時間24日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキース黒田博樹投手(39)が、日本人メジャー投手初の5年連続2桁勝利に王手をかけた。ホワイトソックス戦に先発し、6回5安打2失点で9勝目(8敗)を挙げ、日米通算180勝に到達。昨季に野茂英雄氏(45)を抜く4年連続2桁勝利をマークしたが、5年連続が目前となった。

 2回に1点を先行され、3回まで61球の苦しい投球も、踏ん張るのが、黒田らしさだった。今季あまり投げていないカーブ、フォーシームを交えて的を絞らせず、丹念に低めを突いた。今季16度目のクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以内)をクリアしたが、過去15戦では5敗も喫している。この日は打線が4回に逆転し、6回にも援護を受け「多少、巡り合わせも良くなってきましたね」とうなずいた。

 試合前には、ドジャース時代の監督でもあるトーリ氏の殿堂入り記念セレモニーが行われた。登板直前とあって、あいさつ程度だったが、同氏への思いは格別だった。「こっち(米国)に来た時の最初の監督。僕自身もすごく大好きな監督なので」。健在ぶりを見せることが、恩返しだった。

 次回予定の28日(同29日)は、5年連続2桁勝利と全30球団勝利のかかるタイガース戦だ。「どこが相手でも勝ちたい。(タ軍を)あまり意識せず、チームが勝てる投球をしたい。大事なゲームが続くので、メンタル面をしっかり保っていきたい」。開幕以来、ローテを守り続ける黒田が、最後まで息を抜くことはない。大記録を同時に決める。【四竈衛】

 ▼5年連続2桁勝利王手

 ヤンキース黒田が今季9勝目で日米通算180勝に到達。自らが持つ記録を更新する日本人メジャー投手5年連続2桁勝利に王手。

 ▼QS16度目

 黒田は6回2失点(自責2)で今季16度目のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)。ヤ軍では田中に並ぶトップタイ。

 ▼デーゲーム得意

 9勝目を挙げたホワイトソックス戦を含み、今季デーゲームは6勝2敗。ヤ軍入団後の12年以降では16勝5敗と大きく勝ち越している。