<ワールドシリーズ:フィリーズ10-2レイズ>◇第4戦◇26日(日本時間27日)◇シチズンズバンクパーク

 いよいよ後がなくなった。4打数無安打の岩村明憲内野手(29)は守備でもメジャー初の1試合2失策。3回アットリーのゴロをはじき、4回はロリンズの一、二塁間の当たりがグラブの下を通過。いずれも失点につながった。

 試合後は「先発投手に悪いことをしたなと責任を感じています。(2個目は)考え過ぎた。芝の切れ目に来たんで、バウンドが上がるんじゃないかとグラブを上げてしまった」。だが落ち込んでばかりいられない。

 27日の第5戦に負ければ今季終了。相手先発は第1戦で7回2失点で勝ち投手となった左腕ハメルズだ。加えてレイズ・3番ペーニャ、4番ロンゴリアは4試合で29打数無安打、15三振。絶体絶命のピンチだ。

 だが岩村はすぐに気持ちを切り替えた。「人間ミスはするもの。その後、自分なりに取り返したつもり(7回裏1死一塁で二遊間のライナーをダイビング捕球。一塁へ送球して併殺に)。明日の試合は前を向いてやっていきたい」という。

 第1戦では1人ハメルズから3安打。この日も4の0ながら左翼フェンス手前への飛球を放つなど「今日も悪い感じじゃなかった。チームもついてない部分がある。そのひと言で片付けていいのか疑問ですけど、明日ツキが回ってくるのを願いながら、自分たちの野球をするだけ」と話す。

 マドン監督がブラントンの不正投球をアピールするなど、ベンチも戦う姿勢を見せた。「ああいう部分が僕たちを発奮させる。このチームはワールドシリーズでも成長していくチームだと思う。それを信じてます」と岩村。まだまだレイズは死ぬつもりはない。【千葉修宏】