巨人の“ルーキーズ”が開幕1軍に大前進した。楽天とのオープン戦に、ドラフト2位戸根千明投手(22=日大)と同3位高木勇人投手(25=三菱重工名古屋)が登板。そろって1回を3人で抑えた。原監督は「新しい戦力として十分に入ってくる力があると思う」と賛辞を並べた。

 新人とは思えないほど、堂々とした投げっぷりだった。7回から登板の高木勇は「アウトを必死に取っていく姿をアピールしたかった」との言葉は初々しいが、マウンドでは一変。「ボールをしっかり操って投げられた」と振り返るように、捕手の構えたところに淡々と投げ込んだ。本塁打を放っていた楽天の新外国人ウィーラーをフォークで空振り三振に仕留めたが、「もう少し低く投げたかった。ああいう1球が甘さ」と反省も忘れなかった。

 対照的に、8回に登板の戸根は荒々しく挑んだ。3打席で3出塁の聖沢に対しても臆さない。「左の懐をどんどんついていく」と直球で攻め、球の高さも膝から下に集めた。加えて、投げるリズムに変化をつけるテクニックも織り交ぜ、最後はカーブで崩した(結果は遊ゴロ)。それでも「まだまだスピードがついてきていない」と課題を挙げた。

 現時点ではリリーフ候補の2人だが、起用法の可能性は広がる。キャンプから好投を続ける高木勇について、原監督は「固執せずに考えたい」と、持ち場を限定せずに模索する考え。戸根も“左キラー”の能力も備わっていることを証明した。コツコツと修正を施しながら、開幕切符へと近づいていく。【浜本卓也】