西武森友哉捕手(19)が一瞬だけ、高校時代の青春に浸った。プロとして初めて立った聖地甲子園での藤浪との初対決。「直球だけというのは何となく分かっていた」と全4球に体がねじれるようなフルスイングで応えた。だが最速157キロの前に左飛に終わり「直球1本に張っていたけど、それでも振り遅れたぐらい。すごいですね」と先輩に脱帽した。

 今季初のフル出場は、3打数無安打で対外試合12打数2安打となった。リードでも課題を感じた。先発野上とのコンビで「今日は首を振らないから」と配球を全面的に託された。だが失点した回は先頭打者を塁に出し、カウント優位に追い込んでも痛打された。直球が低調だったことを反省していた野上からは「同じ球を続けて、偏りすぎていた」と修正を求められた。4回以降は毎回安打を食らいながらも無失点に抑えたが、2年目の若き捕手は「きれいに抑えられた回がなかった。流れを持ってこられるリードをしたい」と話した。

 まだ成長の余白がたくさんある。藤浪と雌雄を決する近い未来まで腕を磨けばいい。「自分も1軍に残って戦う機会があればリベンジしたい」。プロとして剛腕藤浪を打ち砕く。【広重竜太郎】