幕切れが板についてきた。西武高橋朋己投手(26)が、プロ野球初となる開幕から3試合連続セーブを挙げた。開幕3連戦3連勝は62年の近鉄戦以来53年ぶりとなり、チームにとっても自分にとっても快記録でのスタートダッシュとなった。

 オンとオフの切り替えがうまい。試合が始まると誰もいない風呂に入る。自分の世界に浸りながらリラックス。3回からマッサージを始めるが、試合はまったく見ず、スイッチを完全に切ったままだ。投球に向けた準備は6回ないし7回からで、ここから徐々に戦闘モードに入る。抑え役に向いた性格なのだろう。

 この試合でも気分転換は早かった。2点リードの9回は2死から糸井にソロ本塁打を許し、続く中島を歩かせたが動じない。「あそこまで完璧に打たれたらまあいいやと。引きずることなく切り替えることができた」と言う。最後は1発のあるブランコを1球で三ゴロに仕留め、危なげなく締めた。

 3試合連続での登板を予感していた。「なんかあるような気がする」と前日から、その気になっていた。今年の目標はセーブ数より登板数。「とにかくたくさん投げたい。100%ないけど、来週の楽天戦も3試合投げるつもりで行く」と頼もしい。

 3連投しても疲れはない。むしろ絶好調で、それもまた自信になった。もちろん田辺監督も同じで「うちのパターンだよ。崩すわけにはいかない」と全幅の信頼を寄せる。最後のマウンドに立つ高橋が、西武の快進撃を支えていく。【矢後洋一】

 ▼西武が05年以来の開幕3連勝。27日が1点差、28日が2点差、29日が1点差の勝利で、高橋朋が3試合ともセーブ。開幕戦からチーム3試合続けてセーブを記録したのはプロ野球史上初めてになる。