5月初登場の阪神呉昇桓投手(32)が節目のセーブを上げた。ヤクルト戦3連勝を決めた4月30日以来の登板は2点リードの9回。まずはストレートで藤井を見逃し三振。続く代打・小笠原には詰まった当たりの安打を許したが代打高橋周を投ゴロ、最後は大島を149キロ真っすぐで見逃し三振に切り、今季10セーブ目をマークした。

 「今日は自分でも調子がよかったと思う。捕手のサイン通り、投げました。藤井さんのリードがよかったです。岩田さんが好投していたので勝利につながってよかったと思います」

 阪神が誇る外国人カルテットの中で、今、もっとも安定感がある。来日1年目でセーブ王に輝き、2年目の今季も巨人沢村、DeNA山崎康とセーブ王争いを展開。そんな抑えの信頼感で冷静に話した。

 このままなら昨季を超える40セーブの大台も不可能ではない。その問いには「それは分からない。とにかくセーブを失敗しないことが大事。これを続けていきたい」と応じた。2年目で通算セーブ数は49。すでにウィリアムスを抜き、球団助っ人の最多セーブ街道をひとり旅だ。だが常に記録よりも勝利を強調。呉昇桓の姿勢は常にぶれない。【編集委員・高原寿夫】

 ▼阪神呉昇桓が14試合目の登板で10セーブをマークした。阪神1年目の14年は18試合目(5月18日DeNA戦)で到達しており、4試合早い2桁セーブ。昨年は39セーブを挙げているが、今季どれだけ上乗せできるか。