デホだ、マッチだ、逆転だ! ソフトバンクが今季2度目の「デホマツ」連弾で楽天をうっちゃた。1点を追う4回、李大浩内野手(32)と松田宣浩内野手(31)の連続アーチで今季12度目の逆転勝ち。再び貯金を今季最多タイの5とした。4番内川から右打者3人が並ぶからこそ、データを生かし楽天の勝ち頭レイを攻略した。

 食らった先制の1発は、ワンツーパンチでやり返した。1点を追う4回、先頭の李大浩が楽天レイのスライダーを左中間のホームランテラスへ。チームトップの8号同点ソロだ。「しっかり振り抜いたので、なんとか届いてくれたね」。日韓通算300号の記念弾。ヤフオクドームでは今季6本目。その半分の3本は新設されたホームランテラスへ運んだ。「オフにテラスができて本塁打が増えると言っていたけどその通りになってきている。今は調子がいいので、今のうちにたくさん打たないとね」。5月に入って7戦4発と絶好調だ。

 続く松田はフルカウントから内角へ食い込むツーシームをコンパクトに振り抜く。左翼ポール直撃の勝ち越し7号ソロには、冷静な読みがあった。「デホさんがスライダーを打っていた。右にはチェンジアップが来ていなかったので捨てて、(ツーシームを含む)直球かスライダーに絞っていた」。4番内川から右打者が3人続くことで、松田はしっかり配球や傾向を準備して打席に迎えている。

 4月21日楽天戦と同じ2人の連弾に工藤監督は「よく打ってくれた。データや情報も入って的を絞っていることがこういう結果につながっている」と、スコアラー、コーチが集め指示したデータを自分たちで応用していると褒めた。

 8回にも松田は貴重な中犠飛を放った。「無死または1死三塁では最初からバットを短く持って3球で何とかしようとしている」と、通常は2ストライク後に短く持つが、4月7日からの仙台での楽天2連戦で長く持って三塁走者をかえせなかった反省から犠飛を狙える場面では短く持つように変えた。本塁打の後、ベンチ前で「熱男~!」と叫び、お立ち台で「1、2、3マ~ッチ」と拳を挙げる陽気な男のしたたかな技が得点圏打率4割7分8厘の結果となっている。強力打線の勢いは止まりそうにない。【石橋隆雄】