元気はあったが連敗は止まらなかった…。DeNAがリーグ戦再開の広島戦でも敗れ、連敗が11に伸びた。相手エース前田の前に散発5安打に抑えられ、1得点にとどまった。6月が1勝11敗1分けとなり、早くも月間の負け越しが決まった。

 中畑清監督(61)は「マエケンに真っ向勝負をしたけど、負の流れを食い止められなかった。今は何を言っても言い訳になる」。試合直後のテレビインタビューは、今季最短の約10秒で切り上げたところに悔しさがにじみ出ていた。

 負の連鎖を断ち切り、晴れやかに再出発を切るはずの一戦だった。交流戦は3勝14敗1分け(勝率1割7分6厘)の世紀の大失速で最下位に沈んだ。「今日からが開幕。オープン戦は終わった」と切り替えを強調して臨んだが、出はなをくじかれた。

 中5日で先発を託した井納も8回を投げ被安打11、3失点と数字上は粘りを見せた。中畑監督も「最少失点でよく頑張った」とたたえたが、チーム状況を考えれば物足りなさが残る。4回以外は全イニングで被安打し、反撃ムードを演出するまでには至らなかった。

 勝負を決定づけたのは、またも守備のミスだった。7回1死一塁でシアーホルツへの2球目が暴投となり二塁進塁を許した。今季42個目の暴投は次点のヤクルトの20個を倍以上も上回る12球団ワースト。1死二塁とピンチを広げてから右前打で痛恨の3点目を献上してしまった。中畑監督は「ミスを投手、野手がカバーしていくのが野球。コーチ、選手は一生懸命、練習に取り組んでいる。でも、減らしていかないと勝ちゲームをつくるのは難しくなる」と戒めた。

 連敗を止めなければ勢いも何もない。今はとにかく「1勝」がチームを変えると信じてひたむきに戦うしかない。【為田聡史】