誰が悪いか、Gメンが調べなくても分かる。ジメジメ梅雨空の下、歯がゆい「自滅」負けだった。阪神先発岩貞祐太投手(23)は3回2死から四球、四球で3失点してKO。同点の5回には二塁上本博紀内野手(28)が後方へのハーフライナーを捕り切れず、決勝点を与えてしまった。上本は1番に座った神宮2試合で9打数無安打となったところで途中交代。カラッと梅雨明け、しないかな。

 雌雄を決するハーフライナーを二塁上本が捕りきれない。同点の5回2死一、二塁。和田監督も迷わず2番手の歳内から左腕高宮に継投した。ここが勝負どころなのだ。デニングを追い込んで直球を内寄りへ。詰まった打球は二塁後方に飛ぶ。捕れば失点せず攻守交代。だが、左腕を伸ばす上本のグラブをはじいてフィールドを転々…。勝ち越しの生還を許してしまった。

 守り負けで接戦を落とした。和田監督も「グラブに当てて、はじいている。何としても捕らなあかんし、ちょっと攻守の両方で精彩を欠いている。あれが元気にならんと…」と苦言を呈した。上本は4回もデニングのゴロをトンネルする失策を犯していた。バスへの引き揚げ際に「自分が悪いです」と言い残した。7回には投手起用の関係上、ベンチへ下がったが、1番起用されたこの神宮2試合で9打数無安打と沈黙した。

 「自滅」の敗戦だった。この日も2回に先制。それでも、先発岩貞が踏ん張れない。3回は2死を奪って1番山田を迎えると急変。コーナーを突こうとするあまり、微妙に制球を乱して四球を与える。荒木も歩かせて走者をためる。川端、畠山に連続適時打を許し、瞬く間に3失点…。逆転されて、不利な展開に陥ってしまった。和田監督も2年目左腕の未熟さを嘆く。

 「1回り目は腕を振れて、結構いい球が行っていた。2死からの2つの四球から始まっているからね」

 ベテラン福留に休養日を与える指揮官の大胆な采配もかすんでしまった。右打者を並べたオーダーは、代役3番の狩野が2安打し、5月19日巨人戦以来の先発マスクとなった梅野はアーチを放つ。用兵はズバッと当たった。それだけに、四球&拙守が歯がゆく感じられた。6連勝の後に連敗。今季は「連勝→連敗」を繰り返す構図になっている。貯金は1に減った。足元を見つめ直して、まずは黒星の連鎖を食い止めたい。【酒井俊作】

 ▼阪神は前日に連勝が6でストップし、今度は2日連続黒星となった。阪神の今季3連勝以上がストップした次の試合を見ると、

3月27~29日(3連勝)後●の次は○

4月26~30日(4連勝)後●の次は●●○

5月13~15日(3連勝)後●の次は●●○

5月26~29日(4連勝)後●の次は●●○

6月3~7日(4連勝)後●の次は○

今回の6月16~28日(6連勝=引き分け1はさむ)後●の次が●で、3連勝以上ストップの次の試合は2勝4敗となった。