中日和田一浩外野手(43)が19日、ナゴヤドーム内で引退会見を開いた。

 引退会見ではめずらしいユニホーム姿で登場し、終始晴れやかな表情で約30分間、会見と取材に応じた。「9月の上旬に決まって、なかなか口に出すことができなかったが、今日この日を迎えて自分の口から言えるのでホッとしています。オフに膝の手術をして開幕から2カ月遅れ、思うようにプレーできなかった。一方で、まだまだできるという葛藤の1年だった」。

 9月3日、落合GMから「来季は契約しない」旨を告げられたという。「その瞬間に決めた。そのときが来たなと思った。自分の中で覚悟していた。毎年、1年1年が勝負と思っていた。中日に3年契約で入ったがその3年でクビと言われたらユニホームを脱ぐつもりだった。ここのユニホームを脱いでほかのチームにという選択肢は8年前から全くなかった」と引退決断までの経緯を明かした。

 岐阜市出身で幼少からの中日ファンだった。中日で現役生活を終えることになり「本当はあのナゴヤ球場の頃の赤と青のユニホームを着たかった。あのユニホームにあこがれていたので」と笑顔で語った。

 県岐阜商から東北福祉大、神戸製鋼を経て捕手として96年ドラフト4位で西武に入団。外野に本格コンバートされた02年に打撃が開花。リーグ優勝に大きく貢献した。08年に中日にFA移籍。10年にはリーグMVPに輝いた。今年6月、通算2000安打を達成していた。18日現在でプロ19年間の通算成績は2047安打、319本塁打、1079打点、打率3割3厘。