たくましさを身に付けて、王者がよみがえった。道都大が北大に競り勝ち、2季ぶり12度目のリーグ制覇。同点の8回に下田拓海中堅手(2年=三島)と代打・早川美勇士外野手(3年=旭川実)の連続適時打で2点を勝ち越し。9回、救援の川又直樹投手(4年=北見柏陽)がピンチを断ち、逃げ切った。

 「春は取れていないので、うれしかった」と、須貝祐介主将(4年=旭川南)の言葉に実感がこもる。今春のリーグ戦期間中に部員の過去の不祥事が発覚し、部長が謹慎処分に。不穏な空気のまま、史上最多7季連続の優勝を逃した。「各自の意識を変えよう。心の野球をやっていこうと取り組んできた」と山本文博監督(59)。逆境の中、チームの団結は、より強くなった。徹底した走り込みや振り込みで過ごした夏、ピンチでも動じない我慢強さを手に入れた。

 残り2試合を残して、8勝0敗でぶっちぎりの王座奪回。目指すは09年春以来、2度目の全勝優勝、そして、昨秋、明治神宮大会の北海道地区代表決定戦で敗れた東農大北海道に雪辱することだ。10月4、5日の札幌円山で、プロ注目右腕の相手エース井口和朋(4年=武相)を、どう攻略するか。「井口を倒そうとやってきた」と須貝。リベンジの準備は、整った。【中島宙恵】