原点回帰で再建する。楽天星野仙一副会長(68)が29日、都内で開かれた球団の定例取締役会に出席。梨田昌孝氏(62=日刊スポーツ評論家)を新監督として招く案を三木谷浩史オーナー(50)や立花陽三社長(44)に提案し、承認された。今後、星野副会長自らが出馬して梨田氏らに正式に就任要請を行う。また中堅からベテラン選手の多くを構想外にしていることが判明。若返りを進め、一からチーム作りを始める。

 約1時間半の取締役会を終え、星野副会長は力強い口調で切り出した。「俺がいろいろと名前を出して、その中から絞り込んだ。これからアタックというか、交渉に入る」。三木谷オーナーらから新監督候補を梨田氏に一本化する了承を取り、就任の正式要請へと動きだすことになった。

 焦らず、じっくりと、チームの再建を任せる。契約期間として提示するのは最低でも3年とみられ、「俺でも(13年の日本一まで)丸2年かかった。ある程度の年数を提示しないと腰が据わらんからな」と言い切った。2球団でリーグ優勝を導いた梨田氏の手腕でも、結果をすぐに出すのは難しいと判断。「選手のことを勉強して、味付けしてくれればいい」と長い目で見守るつもりだ。

 長期政権を想定するのには理由がある。山崎、斎藤、小山伸に加え、この日小斉が引退を発表。また永井、上園、藤江ら中堅投手が来季の構想外となっていることも判明した。「(今季は)チーム構成を作り直さないとダメ。今までなっていなかった。もう1回原点に戻って、決めていく」と球団創設11年目の新興球団らしく、若い力を育成する姿勢を打ち出していくとみられる。

 今後は星野副会長が直々に就任要請を行っていく。来季組閣について「10月は(CSの)着外だから秋季練習も早く始まる。1軍だけでも決めたい。明日くらいから動くよ」と意気込んだ。正式発表はシーズン終了後。巻き返しへ、のんびりしているヒマはない。