阪神渡辺亮投手(33)が1日、兵庫・西宮市内の球団事務所で引退会見を行った。

 スーツ姿で会見場に現れると、10年間のプロ野球生活を思い返しながら淡々と心境を語った。「13年のキャンプで肩をケガしたところから、3年間やらせていただきました。でも、思ったようなボールが投げられなくなっていて、そこで辞めようという気持ちを伝えました。後悔は全くないです」。05年の大学生・社会人ドラフト4巡目で入団し、2年目の07年に53試合登板してブレーク。この年の8月3日広島戦(広島)での初勝利を回想し「久保田さんからボールをもらって、矢野さんに頭をたたかれた。バスに乗り込むときに、(藤川)球児さんとジェフ(ウィリアムス)に『おめでとう』と言われて…。それが一番の思い出です」と語った。

 10年には61試合に登板し、防御率2・65を記録するなど中継ぎの柱として活躍した。だが、13年以降は登板数が減少し、今季はウエスタン・リーグで25試合登板。防御率3・15ながら1軍ではわずか1試合登板に終わっていた。通算は362試合に登板し、15勝6敗60ホールド、防御率2・64。今後は未定といい、ファンに向けては「10年間やらせてもらって、1軍でやったのは6年。温かいご声援をいただいてありがたかったです。(大声援を受けることは)これからはもうないと思う。その時のことを思い出しながら、次の人生を歩んでいきたい」と語った。