来年ドラフトの目玉は創価大の最速156キロ右腕、田中正義投手(創価)だ。186センチ、89キロの恵まれた体から150キロ台の直球をビシビシと投げ込む。

 昨年春にブレークし日本代表入り。今年6月29日に行われたNPB選抜(2軍若手選手中心)との試合ではプロから7者連続三振を奪いその評価を不動のものにした。今秋リーグ戦も無敵の状態で、ノーヒットノーランを達成するなど46イニング無失点。防御率0・00のまま開幕6連勝で優勝した。スプリットなど変化球の制球、走者を出してからの投球に多少の課題は残すものの1年目から2ケタ勝利は間違いない逸材だ。同世代の日本ハム大谷、阪神藤浪とともに、日本球界を背負って立つ投手になる可能性も高い。

 大学生にはこの田中を筆頭に150キロ前後の速球を投げ込む好投手が目白押しだ。

 田中と同じ東京新大学リーグの流通経大・生田目(なばため)翼(水戸工)は最速155キロの直球を武器に今春の大学選手権でチームを準優勝に導いた。田中の高校、大学を通しての同僚、創価大・池田隆英(創価)も150キロ前後の快速球が持ち味。今春の首都大学リーグ戦で完全試合を達成した東海大・丸山泰資(東邦)は最速151キロ、桜美林大のエース佐々木千隼(日野)は150キロ近い速球と鋭いスライダーが武器。

 左腕では大学日本代表のも選ばれた神奈川大・浜口遥大(三養基)が実績十分。175センチとそれほど上背はないが、真上から投げ下ろす最速150キロの直球とチェンジアップで打者を翻弄する。

 東京6大学では慶大・加藤拓也(慶応)、明大・星知弥(宇都宮工)がともに150キロを超えてくる。明大・柳裕也(横浜)、立大・沢田圭佑(大阪桐蔭)は抜群の制球力と巧みな投球術で試合を作る好投手だ。また東大の最速148キロ右腕、山本俊(西春)も楽しみな存在だ。

 東都大学は立正大・黒木優太(橘学苑)、青学大・岡野祐一郎(聖光学院)、亜大の左腕、諏訪洸(下妻二)らに注目。

 このほか、東北福祉大の146キロ左腕、出口心海(盛岡大付)、最速153キロを誇る白鴎大・中塚駿太(つくば秀英)、新潟医療福祉大の左腕、笠原祥太郎(新津)、九産大・高良一輝(興南)らも好投手だ。

 社会人の目玉は東京ガス・山岡泰輔(瀬戸内)。高校時代から注目されていたが社会人入り後も1年目から主戦として大活躍。順調に進化しながらドラフト解禁の3年目を迎える。140キロ台後半の直球に鋭いスライダーが持ち味。マウンド度胸、投球センスも素晴らしい。同じ高卒3年目では東芝・谷岡竜平(成立学園)も大きく成長。最速は150キロに到達した。大卒2年目では名古屋大出身のトヨタ自動車・七原優介、今夏都市対抗で評価を上げた酒居知史(大体大)、JR東日本・進藤拓也(横浜商大)らに注目したい。

 高校生では最速150キロ右腕、創志学園(岡山)高田萌生、最速149キロの九州産(福岡)梅野雄吾、同・横浜(神奈川)藤平尚真の右腕、最速148キロ左腕の履正社(大阪)寺島成輝らが注目される。また好左腕も多く、常総学院(茨城)鈴木昭汰、木更津総合(千葉)早川隆久、花咲徳栄(埼玉)高橋昴也、二松学舎大付(東京)大江竜聖、広島新庄・堀瑞輝、興南(沖縄)比屋根雅也らの成長も楽しみだ。また東海大会で7回参考ながらノーヒットノーランを達成した東邦(愛知)藤嶋健人、今夏甲子園で好投した敦賀気比(福井)山崎颯一郎、センバツ8強の静岡・村木文哉、東海大相模(神奈川)北村朋也、平塚学園(神奈川)高田孝一、東海大望洋(千葉)島孝明、大阪桐蔭・高山優希らにも注目。

 野手は投手に比べると現時点で、田中正義のように1位指名で競合するような目玉選手は不在か。

 高校生では敦賀気比(福井)林中勇輝内野手、浦和学院(埼玉)諏訪賢吉内野手、専大松戸(千葉)丸茂弘汰内野手、二松学舎大付(東京)今村大輝捕手、関東第一(東京)竹井丈人外野手、早実(東京)金子銀佑内野手、横浜(神奈川)公家響内野手、静岡・鈴木将平外野手、中京大中京(愛知)内藤諒一外野手ら。

 大学・社会人では立大・佐藤拓也外野手(浦和学院)、法大・金子凌也内野手(日大三)、早大・石井一成内野手(作新学院)、東洋大・笹川晃平外野手(浦和学院)、日大・京田陽太内野手(青森山田)、中大・松田進内野手(国学院久我山)、東海大・森下耕平内野手(東海大相模)、中京学院大・吉川尚輝内野手(中京)、東京ガス・中山悠輝内野手(PL学園)らに注目したい。