来春に米アリゾナキャンプを控える日本ハムが、一足早く「メジャー流」に触れる。沖縄・国頭での秋季キャンプに、業務提携しているパドレスのピッチング・コーディネーターを務める、エリック・ヤング氏(31)が訪れることが10月31日、分かった。パドレス側が日本流の練習を視察することが目的だが、日本ハムにとっても大きなメリットがありそうだ。秋季キャンプはこの日、第1クールを終了した。

 秋季キャンプ第1クールを終えた栗山英樹監督(54)は、野球漬けの4日間を振り返った。「ひとりひとりがレベルアップしなくてはいけない。何度も言うけど、一番差がつく時期だから。でも、これだけ1日中野球のことを考えられるって幸せなことだよね」。若手主体のチームを、全体的に底上げしようと取り組んでいる。

 そして、さらなるステップアップのきっかけが、6日から始まる第3クールに待っている。パドレスでピッチング・コーディネーターを務めるエリック・ヤング氏の合流だ。

 ピッチング・コーディネーターとは、マイナーリーグの育成、練習などを統括する責任者。メジャー昇格を目指す若手投手たちを管理しており、同じように若い選手たちが参加している日本の秋季キャンプを視察に訪れる。日本流の練習メニューなどを学ぼうというパドレス側の希望で実現した交流だが、米球界で同職に就くヤング氏との意見交換は、日本ハム側にとっても吸収できる点は多い。来春には球団にとって29年ぶりの海外となるアリゾナキャンプも控えるが、一足早く、メジャー流に触れることができる。

 今オフは東京6大学野球にも足を運び「プロだからすごいということはない。教わることはある」と、あらたな発見、学びに精を出す栗山監督。米球界の育成ノウハウを聞き、チームをさらに成熟させていく。