結果にコミットする!? 広島中田廉投手(25)が19日、163球の投げ込みを行った。シーズン中から14キロの大減量を行い、スリム化ボディーでフォーム修正に取り組む。さらにオフには8キロの増量で、球質改善を目指す仰天プランを明かした。右肩痛から再起をかける来季へ向け、ストイックなまでに自己改革を行っている。

 ほっそりした頬に汗が流れる。ブルペン入りした中田は、テンポ良く捕手のミット音を響かせた。真っすぐだけではない。変化球を交え、新たに取り組むナックルカーブやフォークも投げた。球数は100球を大きく超え、気づけば今キャンプ最多となる163球に達した。

 「セットアッパーを狙いたい。そこを目指さないといけないし、勝負できると思っている。今日が一番良かった」

 96キロあった体重を82キロまで落とした。「肩をケガして余計な脂肪を取って、コンディションを整えたかった」と14キロの大減量。軽量化で、今秋取り組む右肩の負担を減らす下半身主導のフォーム矯正も順調だ。今キャンプ計700球を投げ込み、新フォームを体にたたき込んでいる。

 フォーム安定と並行しながら、軽量化によって球質が軽くなる欠点は、増量で克服する。減量から一転「オフの間に90キロまで上げたい。バキバキの体にしたい」とマッチョボディーを目指す。下半身主導の意識徹底のため、ティー打撃を取り入れるなどオフも自らを追い込む。トータル増減22キロも、ストイックなまでに追い込む中田なら可能か。

 昨季チームトップの66試合に登板した疲労もあり、今季は右肩痛を発症した。1軍登板はわずか5試合。「今年は何も仕事していない。昨季の実績はなくなったようなもの。来年は一から勝負したい」。覚悟を決めた。

 今季セットアッパーを務めた大瀬良は来季、先発に再転向する。佐々岡2軍投手コーチは「勝ち試合で投げる経験をしている投手。来季戦力になってくれないと困る」と期待する。肉体改革で投球フォームもリニューアル。完璧ボディーの中田が、再び自分の居場所をつかみ取る。【前原淳】