嫌がられて恩返し! 慶大出身のドラフト1位、阪神伊藤隼太外野手(26)が、巨人高橋由伸監督(40)を苦悩させるほどのブレークを誓った。200万円増の年俸1700万円で契約更改。昨オフまで3年連続で自主トレをともにした大先輩の巨人高橋監督に、来季こそ成長した姿をみせつける。

 あの端正で爽やかな表情をゆがませて初めて、師匠に認められたということだ。「成長して、嫌がられることをうれしいと感じたいです」と腕ぶした。

 来年1月も例年通り、沖縄・那覇市内で合同自主トレに励む予定。「去年まで由伸さんがやっていたこととか、自然と思い出すと思います」。さすがに慶大の大先輩は参加できないが残ったメンバーで師匠の背中を追いかける。

 「由伸さんは今年40歳。あんなに練習するのかと思った。自分が40歳になった時、あれだけ動けるのか…。体のケアもそう。技術を聞いても、いろんな引き出しを持っていて自分の意見を教えてくれる。尊敬できる、目標とする選手です」

 今季の巨人戦打率は1割7分4厘。今度は成長した姿を披露することで、感謝の気持ちを伝えたい。契約交渉では200万円増をゲット。広島黒田、前田の大物2人を計18打数7安打と打ち込み、自己最多の63試合出場も評価された。

 マートンが退団し、金本新監督が指揮を執る来季は大チャンスだ。「来年こそレギュラーに定着するという、強い決意でやっていきたい」。江越やドラフト1位高山らとの激しい競争を勝ち抜けば、恩返しロードが一気に開ける。(金額は推定)【佐井陽介】