日本一の約束は行動で示す。阪神藤川球児投手(35=四国IL・高知)が25日、鳴尾浜球場でサプライズ始動した。タテジマ復帰会見一夜明け、トレーニングウエア姿で登場。キャッチボール、外野のポール間ダッシュ、ウエートトレーニングなど5時間半たっぷり汗を流した。

 「目標が決まったらやることをやるだけ。あとは自分の練習をするだけなんで」。引き締まった表情だ。「目標」とは前回の在籍時に成し得なかった日本シリーズ制覇。前日の会見でも「日本一のパレードをしたい。ファンの皆さんに泣いてほしい」と決意表明したが、実現に向けて即有言実行の精力トレーニングだ。

 この日朝、金本監督がテレビで先発調整を要望したことについて「言われたところで準備します」と、どんな形でも力になる決意をあらためて示した。

 よき兄貴分としても投手陣をまとめる。練習中に育成のトラヴィスが直立不動であいさつに訪れると「(容姿が)格好エエなあ」と緊張を和らげてコミュニケーション。島本、秋山、守屋、野手の江越や植田らとも談笑し、食堂では若虎と昼食のハヤシライスをほお張った。鶴は「球児さんの方からみんなに話しかけていました」と、偉ぶらないレジェンドに最敬礼だ。

 「練習さえできれば大丈夫」。メジャー挑戦以来、鳴尾浜での練習は3年ぶり。ドラフト1位入団から挫折を乗り越え、最強守護神になるまで汗と涙を流した原点。懐かしい風景に身を染めて、日本一への誓いは新たになった。【松井清員】