爆笑と熱唱のド派手な第1歩をしるした。楽天ドラフト1位の関東第一・オコエ瑠偉外野手(18)が1日、仙台市内のホテルで新入団選手発表会に臨んだ。梨田昌孝監督(62)ばりのダジャレで笑いを誘い、同期のムチャぶりに応えて歌声も披露した。トリプルスリーを意識した背番号「9」を背に、将来的には20年東京五輪出場という大きな夢も口にした。

 スポットライトを一身に浴びたオコエが、まずはマイクで大物ぶりを見せた。ファンと報道陣、約500人を前にした緊張の入団発表会。右隣の監督から「僕のダジャレについてきて、にこっと笑顔が出た方がいい選手になれますよ。これはもう間違いない。分かった?」とハッパを掛けられ、吹っ切れた。会見中にニックネームの希望を問われ、声を張り上げた。

 オコエ 監督のように笑顔でいきたいので、ニコエでお願いします!

 そして歌った。選手同士の質問コーナー。左隣の茂木に1曲歌ってとせがまれ、立ち上がった。「楽天~イーグルス~」と2度熱唱。「歌はやめてって言ったんですが…。でも、やるしかないと。ほとんどアドリブです」。ムチャぶりにも歌いきったおとこ気に、会場からは大拍手が起こった。梨田監督は「いい『お声(オコエ)』だったね~。エグザイル系。ダンスもいけそう。試合後のヒーローインタビューでいっぱい歌ってほしいね。そのためにも2軍じゃなく、1軍でやらないと」とご満悦だった。

 すべてにおいて高みを目指す。18歳らしくはじけた後は、真剣な表情で夢を明かした。「プロになるという小さい頃からの夢がかなった。次の夢は2020年。東京オリンピックに妹と2人で出場したい。そこにこだわっていく」と、20年東京五輪で野球が復活した場合の日本代表入りを熱望した。妹の桃仁花(もにか)さん(明星学園高1年)はバスケットボールU-16代表候補に選出されており、異種目での兄妹出場を目指す。「トリプルスリーとかは個人の目標。それ以上に日本のためにやりたい」と力を込めた。

 今はただ全力で走り続ける。「自分の技術はまだまだ。だけど野球への強い気持ちでは誰にも負けるつもりはない」と言い切った。規格外のスケールに大きな志を携え、堂々とプロの荒波に飛び込んだ。【松本岳志】