広島黒田博樹投手(40)が8日、来季も現役を続行する意思を固めた。

 鈴木清明球団本部長(61)に、その意思を伝えたという。鈴木球団本部長は「来季も現役続行すると連絡がありました。成績もそうですけど、それだけではない。若手の手本にもなる。ホッとした気持ちと、よし、という気持ち。契約はこれからします。来週以降になる」と明かした。

 来週以降、契約更改を行う。「キャリアを見ても恥ずかしくない金額を提示します」と鈴木本部長。今季の推定年俸4億円からアップは確実とみられる。

 黒田は今季メジャーから8年ぶりに広島に復帰。40歳のシーズンで11勝8敗、防御率2・55の成績を残した。「男(おとこ)気」の言葉に代表される1球の重みを感じながらの投球や「フロントドア」などのツーシームを駆使した投球で存在感を示した。日米通算200勝にも、あと7勝に迫っている。

 シーズン終了後から現役引退か続行かの熟考を重ねていた。11月30日には報道陣を前に「今年は野球人生でも最高のモチベーションで入った。それなりの覚悟と高いモチベーションで帰ってきた。今まで以上にやってきて、これを超えるモチベーションを探すのは難しい」と悩める心境を吐露していた。

 球団は「代わりのいない存在」として全力で慰留。前日7日には鈴木本部長が広島市内で会談し、約2時間30分にわたって話し合いを重ねた。鈴木本部長は「魔法の言葉はないけど、思っていることはすべて伝えた」と話していた。

 今月4日に前田健太投手(27)のポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を容認していた広島にとって、なくてはならない存在だった。来季も男気あふれる投球が見られる。