20歳の守護神が、来季も楽天の勝ちゲームを締めくくることになった。高卒2年目の今季に史上最多の33セーブを挙げた松井裕樹投手(20)のストッパー続投が14日、正式決定した。話し合いの席で梨田昌孝監督(62)から必要性を訴えられ、二つ返事で承諾した。

 梨田監督 任せたからには、逆転されてもよほどのことがない限り9回途中で代えることはしない。松井とは運命共同体。それくらい信頼している。

 松井裕 気持ちがぐっと高まりました。それまでは先発で挑戦したい気持ちも五分五分でしたが、熱い言葉で、抑えとしてしっかり働きたいと思いました。

 熟考した上での守護神続投だった。10月の就任直後から、梨田監督は「2年目からずっと抑えだと短命になる恐れがある。状況が許せば変えてあげたい」と先発復帰の可能性を探ってきた。チームは則本に次ぐ先発投手が手薄な状況。代わりのストッパーを補強できればという条件つきで、若き左腕を先発ローテへ組み込む構想があった。しかし12月に入り、来季戦力の全容がほぼ決定。全体のバランスを考慮した上で「勝ちゲームを8回9回で落とすことは苦しい。現状、松井以上の抑えはいない」と決断を下した。

 託されたからには、全力で務める。松井裕は来季の目標を「日本一」と定め、自らに40セーブという数字を課した。「優勝チームには必ず40セーブ近くを挙げる抑えがいる。このオフからしっかり準備していきたい」。腹は決まった。最後のマウンド上で日本一の瞬間を迎えるべく、松井裕の16年が幕を開ける。

 ◆松井裕の抑え 今春の沖縄・久米島キャンプで、大久保前監督が配置転換を明言。青山、ミコライオと守護神を争ったが、最有力候補だったミコライオが3月中旬に椎間板ヘルニアで長期離脱。同監督が抑え昇格を決めた。開幕から13試合無失点に抑え、7月4日の日本ハム戦まで登板30試合で黒星なし。11月に侍ジャパンの一員として臨んだプレミア12でも試合終盤で起用された。