福留も太鼓判! 阪神が来季の守護神候補として交渉している米大リーグ・パドレスのマルコス・マテオ投手(31)の獲得が決定的であることが15日、分かった。条件面で大筋合意し、パドレス側と譲渡金交渉中だ。呉昇桓の穴を埋める右腕は、カブスで同僚だった福留が「器用」と絶賛し、JFKの一角だったウィリアムス駐米スカウトらも高評価している。

 懸念されていた来季の守護神問題がスピード決着した。阪神の来季守護神としてマテオの獲得が決定的な状況になった。金本阪神の一員として、クローザーの大役を担うことになる。

 投球時に大きく左肩をひねるトルネード投法が特徴的だ。150キロを超える剛球が持ち味。あごひげを蓄えた、いかつい風貌で、カリビアン特有の荒々しいイメージがある。中南米系の選手はクイック、けん制を苦手とする選手も多い…。マテオはどうだろうか…。そんな不安を一蹴するのは、かつてカブスでチームメートだった福留だ。

 「すごくいいヤツだよ。僕がいたときは上と下(3A)を行ったり来たりしていたけどね。何でも器用にできるんじゃないですか。器用そうな顔はしていないけどね」

 10、11年に同僚だった男をこう評した。わずかなミスが命取りになる守護神は高等な投球技術が欠かせない。百戦錬磨のベテランが問題なしとばかりに“及第点”をつけた。今季はパドレスで救援登板を重ねた。オフも母国ドミニカ共和国のウインターリーグで登板。15試合に登板して1勝10セーブ、防御率0・00と安定している。球団首脳も、早くも信頼感を口にする。

 「助っ人は直接球場で見ないと分からないだろう。でも、ジェフもシーツもいいと言っていた」

 現役時代に日本球界で活躍し、現在は阪神駐米スカウトを務める元名セットアッパーのウィリアムス氏と好打者だったシーツ氏がそろって力量にお墨付きを与えたという。ウィリアムスは救援左腕として適性を知り尽くしており、説得力がある。マートンの獲得を薦めたシーツは打者目線から判断できる。2人は球場で視察。胸を張って推薦できるわけだ。

 マテオはここまで、パドレスの40人枠に入っているため、獲得にはパドレス側に譲渡金を支払う手続きを要する。詰めの交渉を継続しており、この日、四藤球団社長も「交渉中。決まったら発表する」と説明した。年末に向かうため、正式発表は年明けになる可能性もあるが「阪神マテオ」の誕生は間違いない情勢だ。2年連続セーブ王の呉昇桓と不法賭博疑惑で交渉を断念したが、早くも新守護神候補の獲得が決まった。

 もう1人の助っ人投手の獲得も同時進行中だ。前広島のデュアンテ・ヒース投手(30)とホワイトソックス傘下3Aのマイケル・クレト投手(26)を軸に、すでに交渉に入っているとみられる。投手陣を分厚くして、逆襲の体制を整える。

 ◆マルコス・マテオ 1984年4月18日、ドミニカ共和国サンクリストバル生まれ。04年にレッズと契約。カブス傘下に移籍し10年にメジャーデビュー。今年1月パドレス移籍。185センチ、100キロ。右投げ右打ち。