中日福田永将内野手(27)がローズ級バットで大砲の才能を爆発させる。16日、岐阜県のミズノ養老工場で新バットを発注。現在の型から大幅に中間部を削り、先端に重心がいく長距離打者用に改造した。

 福田の考えを聞きながら加工した名工・名和民夫さん(48)によると、完成した型はタフィー・ローズ似。近鉄、巨人、オリックスでタイトル4度を含む通算464本塁打。01年には当時プロ野球タイ記録の年間55本塁打を放ち、歴代最強助っ人ともいわれた。福田も55本への願いを込めて背番号55を背負う。

 長さも6ミリ長い85・7センチにした。さっそく試し打ちした福田は「うまくヘッドを使えれば飛ぶ。自分はバットの使い方が悪いから、ヘッドの重みを感じながらやればよくなると思う」と納得の表情だった。

 今季は森野の負傷をきっかけに出場機会をつかみ、序盤で6本塁打をマーク。だが中盤以降は本塁打を出せなかった。巨人村田モデルを試したりと試行錯誤した末、長打力を最も生かせる型を選んだ。

 一塁にはメジャー66発の新外国人ビシエドがいる。「来年が10年目ですから。相手は関係ない。一塁でレギュラーをとるためにやります」。終了後、絵馬には「覚醒」と書き込んだ。新しい相棒が“金棒”になれば、今度こそ飛躍のシーズンになる。【柏原誠】