阪神藤浪晋太郎投手(21)を分析。

 21歳の藤浪が221三振を奪って最多奪三振のタイトルを獲得した。

 21歳以下のシーズンに200奪三振以上は07年ダルビッシュ(日本ハム=21歳・210三振)以来となり、セ・リーグでは69年江夏(阪神=21歳・262三振)以来、46年ぶり。21歳以下の奪三振王も07年ダルビッシュ以来で、セ・リーグでは51~53年金田(国鉄)67~69年江夏に次いで3人目だ。

 2桁奪三振が昨年の5度から9度に増え、奪三振率は昨年の9・50から9・99へアップ。セ・リーグのシーズン奪三振率では歴代6位と10傑入りした。上位5人は左投手で、セ・リーグの右投手では04年木佐貫(巨人)の9・92を抜いて歴代トップに立った。

 イニング別の奪三振率を見ると、6回の11・12が最も高く、今季は全イニングで9・00以上を記録。パ・リーグ奪三振王の則本(楽天)やライバル大谷(日本ハム)でも全イニングで9・00以上をマークできなかった。序盤3回までの奪三振率は昨年の10・58から9・64へダウンしたものの、7回以降は昨年の7・71から9・80へ上昇。5月20日巨人戦で毎回奪三振、延長10回を投げた5月27日楽天戦では7回以降に6三振を奪うなど、試合後半になっても球威が落ちなかった。

 今季も本拠地の甲子園球場で好投した。甲子園球場では8勝2敗の防御率1・78。5月20日巨人戦から8連勝し、そのうち半分の4勝が完封だった。同一球場でシーズン4完封以上は14年則本がコボスタ宮城で記録しているが、甲子園球場では73年に江夏が5完封、上田が4完封して以来、42年ぶりだ。プロ3年間を終え、同球場は通算19勝4敗。甲子園球場以外では通算16勝17敗と負け越している藤浪だが、本拠地では勝率8割2分6厘をマークしている。【伊藤友一】