坂本、覚悟せぇよ。阪神矢野燿大1軍作戦兼バッテリーコーチ(47)が8日、地獄キャンプを宣言した。この日から始まった新人合同自主トレを視察。沖縄・宜野座の1軍キャンプスタートが濃厚なドラフト2位の坂本誠志郎捕手(22=明大)に、キャンプでも厳しい練習を課すことを通達した。

 ルーキーの姿を見る矢野コーチの目が輝いた。視線の先には、グラウンドで誰よりも声を張り上げるドラ2の坂本がいた。初めて顔を合わせた即戦力捕手に、さっそくハッパをかけた。

 矢野コーチ キャンプでも厳しい練習が続く。いろんな準備をしておけよ。体力、技術としっかりした準備をしておけよ!

 捕手争いは横一線。元気印のルーキーが暴れ回れば、活気が出る。そんな思いが頭をよぎったのかもしれない。寒空の下で熱のこもった言葉が響いた。大感激だったのは現役時代の矢野コーチを理想の捕手像に挙げる坂本だ。

 坂本 長年プロで活躍されていた方。真剣なまなざしでコミュニケーションを取ってもらってうれしかった。期待に応えたい。

 さっそく「準備」を開始した。この日のキャッチボール相手に3位の右腕竹安を選んだ。前日は18歳望月に声をかけた。明大のチームメートである高山がいるにもかかわらず、投手のボールを受けた理由がある。

 坂本 どういう球を投げるのか。どういう選手なのか。それが分かれば、判断する基準も増える。

 細かいところまで神経を張り巡らせる。さすが即戦力捕手だ。

 矢野コーチ キャッチャーは誰がどうとか決まってない状況。誰がはい上がってくるのか。アピールするのか。あとは選手の自覚ですよ。自覚する、意識する選手が伸びてくる。

 2・1に正捕手争いのゴングが鳴る。万全の準備を整えてキャンプに来い! 矢野コーチの言葉が坂本の胸に響いた。【桝井聡】