ソフトバンクのドラフト1位高橋純平投手(18=県岐阜商)が“岐阜県広報大使”になる。入寮から一夜明けた8日、自主トレで汗を流した。野球を知らない子どもたちにも「岐阜県」を知ってもらうという目標のためにも日本のエースを目指す。今日9日から西戸崎合宿所で新人合同自主トレがスタートし、その第1歩を踏み出す。

 岐阜を離れ新生活をスタートした高橋は厳しい? 現実を知った。「ほかの新人たちと話をしたんですけど、岐阜ってどこ? どんな県の形? と言われました」と、軽いカルチャーショックを受けた。

 「ずっと岐阜にいたので、何もないんですけど、いいんですよね。アユが有名。長良川でウ飼いをしていますし。富有柿(ふゆうがき)もあります。実家(岐阜市)からは遠いんですけど、下呂温泉、白川郷とあります。郡上おどりも有名です」と、観光名所やイベントを、まるで観光協会の職員のようにスラスラと口にした。

 お立ち台やインタビューなどあらゆる機会で岐阜をアピールしていくつもりだ。小さいころテレビで見ていた超魔術師ミスター・マリックが岐阜出身と知ってうれしくなった。母校の先輩高橋尚子はシドニー五輪で金メダルを獲得、国民栄誉賞に輝き岐阜の名前を広めた。「岐阜から全国へ出て、岐阜を盛り上げたい」と、今度は高橋が球界を代表するエースとなり、野球を知らない小さな子どもにも岐阜出身の大エースとして夢を与えるつもりだ。

 この日は西戸崎合宿所で、福岡に来て初めての練習を行った。千賀のキャッチボールを間近で見た。「自分がやっているキャッチボールより数段上。1月はブルペンには入りません。焦らなくていいと思っている」と、体作りを優先する思いを強くした。

 寮に持参した工藤監督の博多人形は冷蔵庫の上に飾った。工藤監督のように広く名前が知れ渡る投手になれば、岐阜県を大きくアピールできることになる。【石橋隆雄】

<純平オススメの「岐阜県」>

 ◆ウ飼い 長良川で鵜匠(うしょう)が船から十数羽のウを操り、アユを取る。夏の風物詩となっている。

 ◆アユ 炭火で焼いた塩焼きは最高。

 ◆富有柿 甘いカキで10月下旬から12月ごろが旬。

 ◆下呂温泉 飛騨川の流域に湧く温泉街。兵庫県有馬温泉、群馬県草津温泉と並び「日本三名泉」とも言われる。

 ◆白川郷 飛騨高山の世界遺産の合掌造り集落がある。平瀬温泉も有名。

 ◆郡上おどり 郡上市の夏の大きなイベント。約420年の歴史があり、誰もが踊りに参加し楽しめる。