阪神金田和之投手(25)が“スンファン流継承”で40試合登板超えを誓った。今季、リリーフの一角を狙う右腕は16日、姫路播磨国総社で「宝恵駕籠(ほえかご)行列」に参加した。商売繁盛を祈願する祭りで願ったのはシーズン通しての1軍マウンドだった。

 「ケガせず、1年間勝負できたらなと思います。2年前、40試合投げているので、それを超えたいなと思っています」

 14年に40試合登板を果たし、5勝1敗、防御率3・61という成績を残した金田だが、昨季は右肘の故障などで10試合1勝0敗、防御率7・45に終わった。金本阪神として新たな船出を迎えるチームの課題は高齢化と層の薄さに不安を抱えるリリーフ部門だ。金田の力が加われば、そんな問題も解消される。

 復活へのよりどころは昨年1月に呉昇桓とのグアム合同自主トレで伝授されたトレーニング。ケガをしない体づくりを学んだ。

 「今年も継続してやっています。オフだけトレーニングするのではなく、シーズン中にも鍛えることを学びました」

 呉昇桓のことは「ヒョン(韓国語で兄貴)」と呼び慕っていたという。絶対守護神は昨年限りで退団となったが、残してくれた遺産を受け継いでいる。さらに、今季は米大リーグを経験した藤川も戻ってくる。

 「実績もすごい方。いろいろ聞いてみたいです。僕の場合(武器は)まず、真っすぐですね」

 ライバルも多い今シーズン。寡黙な男は、逆襲の闘志を胸に秘めている。【鈴木忠平】