約3分間のマンツーマン講義だった。日本ハム栗山監督が直撃し、受講した。札幌・宮の森ジャンプ競技場で17日、W杯女子ジャンプのテレビ中継にゲスト出演。終了してから一仕事があった。「ちょっと、待って」。周囲を制し、2人だけの世界に入った。19歳の絶対女王、高梨沙羅(クラレ)が標的だった。

 雪中で腕組みしながら、質問攻めにした。「2年ぶりに会ったんだけれど、ものすごく大きく見えた。確認したいことがあった」。順風満帆に成長し、世界の第一線へと上り詰めている高梨の思考。わずかな時間だが、のぞき見するのが狙いだった。若手主体のチーム操縦のエキスを得た。

 栗山監督 どういう思いで、やってきたの。

 高梨 応援してもらっている人への恩返し。周りで支えてもらっている人への感謝の気持ち…。

 夢中で聞き入った。「強さ、安定感、オーラを感じた」。今オフに自問自答したのが、想定通りに若手が伸びていない現状。西川を筆頭に、覚醒させるための導火線を模索してきた。「いわゆる『大義』だよね。何で野球をやっているのかって」。難解な結論だが、見えてきたことがあったよう。日本ハム・ファンの“沙羅先生”からの金言。到来間近の球春に生かす。【高山通史】