金本超えボディーで逆襲へ。阪神新井良太内野手(32)が23日、広島市内のジム「アスリート」で自己最高のレッグプレス610キロを記録した。

 「あんな重さ、初めて」

 下半身を鍛えるレッグプレスの直前。重りの枚数が足りず、ジムを訪れていたDeNA渡辺と豊島打撃投手にサポートを願い出る。重り代わりにマシンに乗っかってもらい、総重量610キロの重りが完成。「ウワーッ」と真っ赤な顔をゆがめながら、両足の曲げ伸ばしを14回繰り返した。

 「以前は400キロとか500キロぐらいしか上げていなかったと思う」

 610キロを例えれば大相撲の横綱白鵬4人分。アスリート平岡洋二代表によれば、金本監督の現役時代で500キロ程度、兄貴浩で600キロ前後を上げるという。2人を上回る重量をクリアし、14年に発症した腰痛からの復活を印象づけた。

 「去年がみすぼらしい体すぎた。今まで以上に、という思いでやっています」

 昨オフは腰に負担がかかるウエートトレを避けざるを得ず、シーズン中は93~94キロでの勝負を余儀なくされた。今オフは頻繁に兵庫と広島を行き来し、元日も含めてアスリートでトレーニング。現時点で14本塁打を記録した13年シーズン前と同じ体重101キロを計測し、シーズン中は98~99キロで戦う予定だという。

 「とにかく強い気持ちを持って、がむしゃらに泥臭くやっていこうと思う。ポジションはどこでも準備して。若い子より、どんどんアピールしていきたい」

 新助っ人ヘイグ、今成と三塁レギュラーを争う立場だが、一塁や外野も準備する覚悟。すでにノックやフリー打撃を開始し、平岡代表も「今までで一番いい体。1年前とは(打球が)全然違うと思うよ」と太鼓判を押す。逆襲の土台は整った。次は沖縄で大飛球を披露し、首脳陣の目をくぎ付けにする。【佐井陽介】