103マイル右腕だ! 中日の新外国人フアン・ハイメ投手(28=ブレーブス)とジョーダン・ノルベルト投手(29=レイズ3A、登録名ジョーダン)が26日、中部国際空港着の航空機で来日した。抑え候補に期待されるハイメは昨年、103マイル(約165・7キロ)を3度記録したことを明かし、日本記録162キロの更新にも自信。ともに2年目を迎えるバルデス、ナニータも同便で来日した。

 長旅で少し疲れた表情だったハイメが「ふふふ」と笑みをこぼした。「ストレートには自信があるよ。スプリットとスライダーにもね」と言い切った。

 驚かせたのはそのあとだ。最速はなんと103マイルと明かした。160キロが最速といわれていたが、166キロ近い剛球の持ち主だった。計測したのは昨年。ブレーブス、ドジャースの3Aとドミニカ共和国のウインターリーグでそれぞれ計測したという。くしくも前日25日に来日したオリックス・コーディエが最速103マイルと公言したばかりだが「知らなかった。特に意識しないよ。自分との闘い。自分は年々速くなっている」と涼しい顔だった。

 巨漢を目いっぱい使って投げ下ろす姿は迫力いっぱい。その剛速球でメジャーデビューした14年には16試合すべてリリーフで12回1/3を投げて18奪三振。驚異の奪三振率13・14をマークした。米球界でも特筆される剛腕だった。

 7~9回を任せる必勝リレー構築はチームの最大とも言っていい課題だ。谷繁監督は福谷を最右翼に挙げるが、昨年失った信頼を取り戻す必要がある。復活をかける402セーブ左腕の岩瀬、同じく復活気配の浅尾に、又吉もいる。昨年後半に抑えを務めた田島も能力を備える。

 ハイメは荒削りで、制球難やクイックなど細かい部分に改善の余地がある。2カ月で修正できれば、開幕から抑えの座に就く可能性も高くなる。

 クローザー候補と聞かれると「とてもいいアイデアだと思う。自分にとって一番やりがいがあるし、そこが一番と思う。マウンドでは落ち着いていながらも、爆発するような気持ちを持って投げるタイプだ」と自らをクローザー向きと断言した。救世主になる可能性を秘めた男の、キャンプ第1投が楽しみだ。【柏原誠】

 ◆フアン・ハイメ 1987年8月2日、ドミニカ共和国生まれ。04年ドラフトでエクスポズと契約。ダイヤモンドバックス傘下を経て11年8月にブレーブスと契約。14年にメジャー初昇格。昨季は登板2試合にとどまった。メジャー通算18試合、0勝1敗、防御率5・93。188センチ、106キロ。右投げ右打ち。