巨人坂本勇人内野手(27)と長野久義外野手(31)が6日、第2クール初日から「ランチ特打」を行った。野手陣が昼食中、2人はバットを持ってケージに向かった。BGMをかき消す、乾いたバット音がサンマリンスタジアムに響き渡った。坂本は「いろいろ試したいので。今しかできないことをやりました」と黙々と課題に取り組んだ。

 巨人には久しぶりの光景だった。ここ数年、昼食の時間に1軍で特打を行うことはなかった。時間を有効活用すること、暖かい時間帯に打ち込むという狙いで、実施された。高橋監督や松井臨時コーチらに見守られながら、2人合わせて225スイングした。

 目的があるからこそ、フリー打撃をした。坂本は左足を高く上げる打撃フォームからすり足打法や、バットの位置などを試行錯誤している。長野は内からバットを出すことに重点を置いている。昨年は右肘と右ひざの手術の影響で出遅れたこともあって、今キャンプでは明確なテーマを持って取り組めている。「反対方向に打つことをしました。だから柵越え何本とか、書かないでください。恥ずかしいですから」と照れたが、内角球には最短距離でバットを出し、6本の柵越えを放った。

 2人を見守った高橋監督は「本人たちも松井さんのアドバイスを考えながら、自分なりにやっている」と感心。V奪回に向け“サカチョー”が行動で示した。【細江純平】